主食を投機の対象にしてはならない!

誰に頼まれての発言か知りませんが、「主食(コメ)を投機の対象にしてはならない!」と、声高らかに言われる国会議員がいると聞きます。


投機マネーがコメ相場の乱高下を招き、国民生活に大きな影響を及ぼしかねないとでも考えているのでしょうか。そうではなく、コメの価格決定権を手放したくない人達に頼まれてのことでしょうけど。とは言え、強い団体や組織に頼まれると、何でもYESで経済音痴の国会議員にはホント困ったものです。


クルクルパーな一部国会議員のことはさておき、仮にコメ先物相場の一年先の価格が高騰したとしましょう。そういう状況になると、コメの生産者や卸売業者はどうすると思いますか。普通に考えれば出来るだけ多くの「先物売り」をして、一年後の現物販売価格を固定化(売りヘッジ、価格に対する保険をかける)させてくるはずです。多くの「先物売り」がされることになれば、段階的に値段が下がってきます。勿論、想定以上に値段が下がれば、自ずと「先物買い」をする人たちが入り、下げ過ぎた値段はある程度の水準に戻してきます。更にコメの収穫時期が近付けば、先物価格は、需給状況を完全にとらえた現物価格に姿を変えて、一連の相場は終焉を迎えます。


現物のコメを買い占めたり、流通をストップさせる様なことがあれば、確かに国民生活に大きな影響を及ぼすことになると思いますが、コメ先物相場が国民生活に混乱させることはありません。


「主食のコメを投機の対象にしてはならない!」という人達は、この発言の正確な意味について、経済学的根拠もって示すべきだと思います。勿論、頓珍漢な国会議員に対しては、農林水産省もしっかりと対応すべきでしょうけどね。






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