ヘッジ取引
ヘッジ取引とは、保有している金融商品が損失となった場合に備えて、別のポジションを建てる取引です。
ヘッジ取引の基本的なメカニズムは、現物市場で発生する損益を先物市場で発生する損益で相殺することです。ヘッジ取引を行うことによって、その後、価格がどのように変動しても、ヘッジ取引を行った時点の価格で、将来の購入価格または売却価格を確定することが可能になります。
コメの現物先物取引で取引をしたことがある業者(生産者や卸売業者)の方であれば、1年や半年先にコメの現物を先物市場を通じて取引をする予約(数量、価格)をされているはずなので、先々の価格がいくらであろうと、損得を気にすることがなかったかと思います。
これが米穀指数先物取引となると、どうなるのか。
米穀指数先物取引でヘッジ取引(売りヘッジの場合)をした場合、ヘッジ時点の指数値とヘッジ対象の現物価格(仕入れ値や評価額等)をまず記録します。その後は、ヘッジ対象の現物を実際に売却した価格とヘッジを解除(買戻し)した際の指数値も記録します。
その記録を見ると、先物取引の損益と現物取引の損益が計算できます。ヘッジ取引の理論では、両者の損益の合算はゼロになり、ヘッジ時点で現物の将来価格がいくらになっていようとも、ヘッジ時点で現物の将来価格を固定化させたことになり、将来の価格変動リスクを見据えたビジネスを行ったことになります。
しかしながら、米穀指数とヘッジ対象とする〇〇県産コシヒカリの価格の相関係数が0.90とした場合、先物と現物の損益を合算してもゼロにはならず、現物の将来価格を完全に固定化させるという風にはいきません。
ただ、これが問題あるのかというと、そうではありません。
一定程度、将来の価格変動リスクを緩和させることができるため、高い保険効果があったと認識されるはずです。ヘッジ取引をしていなければ、将来の価格変動による現物の損益は博打みたいなものですから・・・。
この辺りについては、米穀指数と現物価格の情報があれば、簡単にシミュレーションができるので、情報がオープンにされれば、シミュレーションを行ってみたいと思います。
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