米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針
今日は、農林水産省のWEBに掲載されている「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針(令和6年3月)」を紹介します。
こちらは毎年作成されているもので、米穀の需給及び価格の安定を図るための米穀の需給の適確な見通し等が記されています。その中から、基本的な数値をいくつか拾い上げて、ここに記載しておきたいと思います。
1.令和4/5年の需要実績(令和4年7月から令和5年6月までの1年間)
需要実績(691万t)=生産量(670万t)+期首在庫(218万t)−期末在庫(197万t)
生産量:令和4年産主食用米等生産量
期首在庫:令和4年6月末民間在庫量
期末在庫:令和5年6月末民間在庫量
次に、令和5/6年の需要実績をどう考えるかです。細かい数式のことはすっ飛ばしますが、毎年、過去の需要実績、人口、一人当たり消費量をベースに次年の需要実績を推計しています。それによれば、需要量は毎年10万t前後減少する傾向にあります。ここは基本的なところなので、頭に入れておいてください。
2.令和5/6年の需要見通し
日本の人口は毎年減少していることはご存じだと思いますので、令和5/6年の需要見通しが減少することは想像できると思います。ここでは、令和5/6年については680.0万tとされています。
最近のニュースでは、インバウンド需要により、令和5年産米のお米が不足気味といった報道がされていたので、実際の需要量は多少上振れしているかもしれませんが、今年3月時点では、需要見通しを680.0万tにしていたということです。
3.令和6/7年の需要見通し
令和6年8月から始まる堂島取引所のコメ指数先物取引に参加するとなると、令和6/7年の需要見通し、全国の作付動向(収穫量)、稲の生育状況、天候(気温、日照時間、降水量、台風等)等の情報が必要になりますが、ここでは、取引対象になる令和6年産米の需要見通しのみを上げておきます。
令和6/7年の需要見通し:670.4万t
上記の数値に対する、全国の作付動向(生産量)とのギャップやインバウンド需要による需要量のブレ等が米価の変動に影響を与えることが想像されますが、そのこととは別に、毎年、国は需要見通しに関する情報を発信していることを知ってもらいたいと思い、「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針」について触れました。
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