米の価格帯を知ろう!
堂島取引所は、令和6年6月分から「現物コメ指数(¥15,634)」を公表しています。
これは、農林水産省が毎月公表する「米の相対取引価格・数量」における全銘柄平均価格の当月値を予測した値で、発表当月のコメの価格相場の推計値ということです。
この予測値、推計値は、農林水産省公表の米の相対取引価格、米穀機構が公表するDI調査(米取引関係者の判断に関する調査)から算出されているということですので、一旦、米の相対取引価格の動きを確認するため、全銘柄平均価格をグラフにしてみました。
<以下、一般消費者や投機家向けです>
グラフを見ると、農産物は一年作ということや、その時々の作況を反映してか、年産毎に価格レンジが1千円程度変動している時もあります。ただ、新型コロナウイルスが猛威を振るった令和2年以降は、不要な外出の自粛、外食控え等の影響からコメ需要は減少し、それに合わせる形で価格が下落したようです。しかし、感染者数の落ち着きや、新型コロナウイルスが5類感染症に移行たことで、生活スタイルの自粛ムードが和らぎ、インバウンド需要が拡大するにつれ、米価は値を戻しているようです。
グラフデータは、平成25年産米~令和5年産米の価格推移ですが、このグラフで玄米60kgあたりの標準的な価格のイメージは持っていただけましたか?
例えば、新潟県(魚沼)産コシヒカリなら直近で2万円を超えた価格で取引はされていますが、こちらは全銘柄平均なので、そこまでの価格にはなっていません。こだわりのお米を食べられている方もいらっしゃるかと思いますが、やはり、安くて(そこそこ)美味しいものを求めている業者も沢山いますので、日本全体のコメ価格となると、グラフのようになるのでしょう。
ただ、作況指数が大きく下回り、コメ不足という事態になると、米価は大きく跳ね上がり、とんでもないことにることもありますけどね。
さて、次は年産別・全銘柄平均価格の変動状況を見てみましょう。
上表の変動額、変動率を見る限り、H25年産、R2年産を除くと、かなりマイルドな変動のような気がします。ここでは比較しませんが、日経平均株価、為替、金の値動きを思い浮かべると、全銘柄平均価格は穏やかなのではないでしょうか。ただ穏やかに見える商品のではありますが、年産毎に12,000円台の時もあれば、15,000円台の時もあるのですがから、稲作農家からすれば、これはリスク商品です。毎年の収入が変わりますからね。
では、投機家にとってこの変動状況どう映るのでしょう。恐らく、変動が激しいデリバティブ取引に慣れている人からすれば、「刺激薄」、「興味薄」と即答する人もいると思います。しかし、日経平均株価、為替、金とは、全く異なる変動要因で動く商品性ですので、ポートフォリオの材料になると考える人もいるはずです。
それと投機初心者ですが、デリバティブ取引に馴染むための最初の対象に良いのではないかと考えます。仮に現物コメ平均の年間変動額を500円想定、倍率50とした場合、1枚(取引)で想定される損益は2万5千円です。これなら可愛いリスクとして受け入れられやすいのですないでしょうか(※個人的感覚です)。勿論100枚分の取引をすれば、損益は250万円が想定されるので、それなりに迫力がでてきますけどね。
いずれにしろ、無知のままコメ指数先物取引はできないでしょうから、今回は、コメの相対取引価格の水準や変動状況について少し触れてみました。コメのデリバティブに興味関心をお持ちの方は、どんどん農林水産省の公表データを見てみましょう。
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