令和5年産米の相対取引価格
農林水産省のWEBに掲載されている令和5年産米の相対取引価格から、一部の産地品種銘柄と全銘柄平均の価格情報をピックアップしました。本当は、現物コメ指数のヒストリカルデータが欲しいところですが、ここでは、現物コメ指数と全銘柄平均価格は近似することを前提に、思うこと少し書いておきます。ここでの内容は米穀関連事業者向けのお話です。
まずは(表1)から。
全銘柄平均価格の価格水準に近そうな産地品種銘柄を適当に並べて、R5/9月~R6/6月の期間変動額を比較してみました。その結果、お米の価格は全体的に出来秋よりも直近価格の方が高くなっていますが、「富山県産コシヒカリ」については、出来秋価格よりも直近価格が下落していることが分かりました。全産地品種銘柄をチェックしたわけではありませんが、もしかすると、相対的に高めの価格帯の産地品種銘柄については、全銘柄平均価格(≒現物コメ指数)との関係性は低い?のかもしれません。恐らく大部分の産地品種銘柄は全銘柄平均価格のトレンドを形成しているとは思いますが・・・。表に相関係数のデータはありますが、データ数が少ないので参考程度に見てください。
(表2)(表3)(グラフ)は、変動額、変動率を示しています。全銘柄平均価格と産地品種銘柄の動きが一致しているか、そして、どの程度変動しているのかを見るための情報です。対前月ベースで大きく動いたものももありますが、恐らく極端な条件下にならない限り、±300円、±3%で変動しているものが多いのではないかと考えます。この辺りは、米穀関連事業者が取り扱ってきた産地品種銘柄のヒストリカルデータと全銘柄平均価格や現物コメ指数を比較してもらうのが、よりリアルな情報になると思いますので、一度チェックをしてみてください。
何故、米穀関連事業者が取り扱う産地品種銘柄のヒストリカルデータと全銘柄平均価格や現物コメ指数と比較をして欲しいかというと、それは、事業者が抱えるお米の価格変動リスクにコメ先物が機能するかを確認するためです。実際、「将来のお米の価格が上昇すると困る(仕入れコスト上昇)」、反対に、「将来のお米の価格が下がると困る(在庫価値の減少、出来秋価格の下落)」ということがあるはずです。私はそれが「困る」を取り除く方法を見つけるきっかけになるのではと思うので、是非、お時間がある時に簡単な分析はしてみてください。
具体的なリスク対処方法は、また今度書きますね。ではでは
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