米国産のコメ相場
終わらない米価高騰を受けて、外国産米の輸入拡大や関税ゼロ化等が話題になることがあるので、米国のCMEgroup(シカゴマーカンタイル取引所)で上場されている、Rough Rice Futures(籾付き米の先物取引)の相場を見てみました。 CMEgroup(Rough Rice Futures)
2025.5.11現在の米国のコメ相場は、2025年7月限が100ポンドあたり12.710ドルとなっています。100ポンドは45.359237kgのことです。直近の為替は1ドル146円程度なので、7月限相場は、籾付き米45kgが1,856円になります。また、籾擦りをすると重量が2割減になるので、玄米換算であれば、玄米36kgが1,856円ということです。これでいけば玄米単価は、キロ52円程(※1俵あたり3,120円)です。実際に日本に輸入するとなれば、輸送コスト等が加味され、キロ単価は100円前後(※1俵あたり6,000円)になると思いますが、民間輸入の場合、関税を支払うことにより、キロ単価は440円位(※1俵あたり26,400円)まで押し上げられています。
一方、堂島取引所のコメ相場はというと、2025年6月限が1俵(60kg)あたりで26,240円(※キロ単価437円)を付けています。この価格と日本に輸入した場合の玄米1俵あたり価格と比較すると、国産米は、米国産米に対し4倍も高い価格であることが分かります。勿論、日本人にとって国産米は美味しいという評価は受けていますが、この価格差は凄い開きだなと単純に思います。
もし、米国産米が関税ゼロで輸入されることになったとすれば、どうなるでしょうね。全国チェーンの外食産業は一気に国産米から米国産米に乗り換えるかもしれませんね。ただ、米国におけるお米の生産量は870万トンで、その半分は自国で消費されています。また、生産されるお米の種類が、長粒種、中粒種、短粒種になっており、日本人好みのお米だけが生産されているわけではないので、さすがに米国産米だけで日本国内の需要を満たすことは難しいのではと思います。
しかし、注目しないといけないのは価格差です。日本人はアメリカ人よりも4倍高いお米を買っているということです。品質差?嗜好?生産条件?等々の違いがあるにせよ、国産米はバカ高いようです。そして、これを日本の消費者は買っているのです。ホント何とかこの価格差を縮められないものでしょうか。食料安全保障の観点も勿論大事ですが、革新的な農業技術、生産効率、流通効率等が実現されなければ、外国産米に対し、価格競争力のある国産米は誕生しません。今のままではしんどい結果しかないでしょうね。個人的には、TOYOTA等の大企業が農業に進出すれば、いろんな改革が行われる?JAではダメっぽい?そ~思ってしまいますが・・・。どうなるでしょうね。
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